今や世界の美食家を唸らせる日本酒と日本料理。
今回は、海の黒いダイヤとしても知られる大間産の本マグロにターゲットを当てて、其々の部位と日本酒のマリアージュを追究いたしまた。
冬の本マグロは脂がのって美味しいと言われる一方で、通の間では、
旨味と香りをしっかりと感じられる春先のマグロが好まれています。
是非この機会に大間産本マグロの赤身、中トロ、大トロとの、日本酒でしかなしえない圧倒的なマリアージュをご堪能下さい。
津軽海峡の荒波に揉まれた美しく引き締まった身は、血潮の香りと上品な酸味、奥深い味わいをお楽しみいただけます。

赤身漬け×大七 純米生酛（熱燗50度）

血潮の味と鉄の香り、力強く上品な酸味の「大間産本マグロ赤身」。そんな生命力溢れる「大間の赤」には、五十度までゆるやかに湯煎した「大七 純米生酛」が情熱的に絡み合う。
漬けによって更に旨味が引き出された赤身は、「大七熱燗」の力強く官能的な旨味とキレをも堂々と受け止め、互いの旨味を押し上げる。
「大間の赤」でしかなしえない、「大七熱燗」との野性味あふれるマリアージュをご堪能ください。
有馬山椒で上品に炊き上げた「あん肝」は、大七生酛の熱燗を迎い入れるべく、程よく熟成して辛みと複雑味を出した「奈良漬け」をしのばせる。

中トロ 桜葉の塩漬け〆 カルパッチョ×天狗舞 別誂 特別純米（ぬる燗40度）

赤身の奥深い味わいと、大トロの上品な脂の甘味を持ち合わせた「大間中トロ」には、香りと旨味、酸味のバランスが心地よい「天狗舞 別誂 特別純米」が躍動する。
「マグロ節」の上品な出汁を使用した「土佐酢ジュレ」とフレッシュ且つ奥深い天狗舞の酸が、まるで寿司のシャリのように、全体の旨味を構築していく。
下味をつけて甘味を引き出した繊細な春野菜にも、
たおやかに寄り添う「天狗舞 別誂」の〝しなやかさ〟 たるや。

大トロ、サーロイン握り×七本鎗 純米 玉栄（人肌燗35度）

舌の温度で溶け出す、「大間の大トロ」とうねめ牛の上質な脂は、
何といっても人肌燗でゆっくりと旨味を引き出したい。
ふんわりと膨らむ麹の香りと米の旨味、程よく厚みのある「七本鎗 純米 玉栄」ならではの味わいが、
繊細な脂の旨味を華やかに引き上げる。
後から追いかけてくるほろ苦さや心地よい渋みは、シャリにしのばせた春の苦み(蕗)に寄り添う。
※うねめ牛サーロインは、ほうじ茶炊きのシャリを使用。
上質な脂を纏いながらホロホロとほどけるシャリは、お酒と温度帯を揃えることで、緩やかに、穏やかに旨味を残していく。
辛口やキレのある酒で脂を断ち切る、さっぱりとさせることが本当のマリアージュではないと思い知らせられる「大トロ、サーロイン握り」×「七本鎗」。
旨味を包み込んで、ゆっくりと解放していく「七本鎗」の懐の深さに身を委ねたい。

中トロネギま鍋×末廣 山廃 純米（上燗45度）

末廣 山廃を合わせたいネギま鍋は、コクのある鰹出汁に昆布出汁をきかせた甘辛な出汁を起用。
焼き葱の香ばしい香りと甘味、中トロの旨味が穏やかに染み出した奥深い出汁は、伝承山廃ならではの、濃厚なコクと伸びやかな酸に包まれ、
『唯一無二の旨味』となる。
滑らかでホクっとした食感の中トロを頬張り、末廣 山廃を流し込めば、中トロの旨味が立体的に浮かび上がり、出汁をたっぷりと含んだトロトロの焼き葱が、大人の味覚を刺激する。

大トロ藁炙り×IWA5（花冷え10度）

天栄村の良質な稲藁で焼き上げる「大トロ藁炙り」は、重層感のあるIWA5のアッサンブラージュ5が妖艶に絡み合う。
藁に含まれる油分が一気に高温で燃えることで旨味を素早く閉じ込めた大トロは、もっちりとした弾力があり、噛みしめる度に濃厚な旨味がとめどなく溢れ出す。
温かみ、重厚感、活力を感じるIWA5（アッサンブラージュ5）は、「大トロ藁炙り」を口中で雄大に泳がせながら、エモーショナルな余韻へといざなう。

赤身と烏賊真丈の揚げ出汁×大七 生酛純米クラシック（ぬる燗40度）

ねっとりとした食感と深い旨味の大間の赤身は、絶妙な火入れで味わいが増す。
本マグロの好物でもある「烏賊」はふっくらと真丈揚げに。
海苔をたっぷりときかせた濃い口の出汁が、両者の味を引き締めながら旨味をゆっくりと引き出す。
合せる酒は「大七 生酛 純米クラシック」。
ぬる燗によって生まれた、荒波のように何度も押し寄せる豊かな旨味が、「大間の赤身」を虜にする。
料理が心地よく酒に溺れていく・・・。そんなマリアージュがあっても良いと思う。

お食事はすき焼と、炊き立ての土鍋御飯をご用意いたしております。

大間産本マグロ×日本酒　～追究のマリアージュ～